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第32回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時:2009年 11月27日(金) 13:30 〜 16:45
場 所:中央大学駿河台記念館
参加者:27名

 今回の専門研究会は、グリーンエレクトロニクス、新たなメモリ領域といった今後の社会におけるナノ磁性分野の役割、バイオ、スピン、自己組織化、ナノ構造、光と磁気の作用をキーワードとして各分野からの講演をお願いした。広い領域を俯瞰する視点から、基盤となる新たな新規物性まで、活発で、新鮮な討論がなされた。以下に各講演の概要を示す。
  1. 「バイオ機能に倣うスピンゆらぎ(スピングラス)と自己組織化ナノパターン形成
    〜低炭素化社会にむけたグリーンエレクトロニクスの基盤技術〜」
    田畑 仁(東大)

     DNAに代表されるバイオ分子の持つ自己組織化機能、進化分子工学による合成アプタマ−分子等による選択的結合機能等を活用する事で、マスクレス、低エネルギー(低炭素化)のボトムアップ三次元ナノ構造形成が可能となる。この技術によるバイオテンプレ−ト鋳型能を利用したナノ配線形成と、金属、磁性粒子のナノパターン制御形成技術が紹介された。また、バイオに特有の “ゆらぎ”機能を、物性揺らぎによって模倣するデバイス実現を目指しし、室温においてスピン“揺らぎ”であるスピングラス状態を呈する新しいスピングラス材料の開発、およびデバイス化(TMTJ素子)についても紹介された。

  2. 「垂直磁化スピン注入方式による新たなメモリ領域開拓の展望」
    中山 昌彦(東芝)

     大容量スピン注入MRAMに必要な低反転電流を実現するために、ダンピング定数を低減した垂直磁化強磁性層を用いたMTJを作成し、トルクダイオード効果の測定から素子状態で低いダンピング定数を持つことを確認した。また、低ダンピング垂直磁化MTJでは、理論予測に基づくようにスピン注入反転電流が低減することが示された。さらに、LLGシミュレーションと実験結果から垂直磁化MTJを用いたMRAMが良好なスケーラビリティをもつことが示された。

  3. 「強磁性多層膜における強磁性共鳴を用いた横スピン侵入長測定」 ○ 谷口知大12、玉川聖3、家形諭2、今村裕志2、安藤康夫31筑波大、2産総研、3東北大)
     共鳴層と非共鳴層を持つ強磁性多層膜の強磁性共鳴エネルギー吸収スペクトル線幅から、強磁性金属の横スピン侵入長が測定出来ることを示した。またLLG方程式を数値的に解くことで磁化の運動を調べ、2枚の強磁性層からのスピンポンピングの効果が打ち消し合う可能性を理論的に指摘した。

  4. 「Plasmonic nanodisk array with enhanced magneto-optical effect」
    ○ Guanxiang Du1, Tetsuji Mori12, Michiaki Suzuki1, Shin Saito1, Hiroaki Fukuda2, and Migaku Takahashi1 (1Tohoku Univ. , 2Ricoh Co. Ltd..)

     In this talk, Magneto-optical (MO) properties of nanodisk array with the stacking structure of Au/[Co/Pt]n/Au were presented. Localized surface plasmon resonance (LSPR) was observed by measuring the transmittance spectra. The results showed evidence of plasmon enhanced MO effect.

文責:細見政功(ソニー),塚本新(日大)