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第25回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時:2008年 7月18日(金) 13:30 〜 16:45
場 所:中央大学駿河台記念館
参加者:24名

 今回の専門研究会では,最近話題のスピントランスファに関連する応用技術の各分野からの講演をお願いした。普段あまり交流のない分野の専門家が集まり,活発で,新鮮な討論がなされた。
  1. 「スピントランスファトルクによるCPP−GMRヘッドの電流密度限界」
    山田健一郎(東芝)

     CPP−GMRのスピントルクノイズの実測により修正したマイクロマグネティックス計算により、フリー層サイズの微細化に伴うスピントルク磁気ノイズを予想した。素子サイズが50nm以下になるとスピントルクノイズの発生臨界電流密度は低下する。面積抵抗が低いメタルCPP−GMRでは、電流密度の増大が感度アップに不可欠であり、MR比の増大に加えて、スピントルクの発生を抑制する研究が重要であることを紹介した。

  2. 「Magneto- Optical and Spin-Transfer Switching Properties of Spin Valves with Perpendicular Magnetic Anisotropy」
    青島賢一1、船橋信彦1、町田賢司1、宮本泰敬1、河村紀一1、久我淳1、清水直樹1、木村崇2、大谷義近2、佐藤史郎1(1. NHK技研、2. 東大 物性研)

     スピントルク技術の3次元ディスプレーへの応用を紹介した。この技術では,従来方式では困難な、CPP の画素を数十ナノメータに狭めて高密度化することにより、広い視野角を実現することを目指している。スピントルクによりフリー層の磁化方向を書込み、その磁化状態をカー効果で白と黒の状態として判別した。カー回転角度が数度と大きな材料を見出す必要があるが、新たなスピントルクを用いた応用として興味深い。

  3. 「媒体ノイズに対する負性磁界の影響の検討(キャップ媒体とシールドポールヘッドとの組合せに関して)」
    市原貴幸、柏瀬英一、中川宏之、根本広明、望月正文 (日立)

     シールドヘッドとCap媒体の組み合わせにおいて、特定の記録密度で媒体ノイズが増大する現象を観測した。SUL膜厚依存性とMFM観測結果から、シールド端部の磁界ストレスによるジッター増大によるものと推定した。

  4. 「マイクロ波アシスト磁化反転の反転メカニズムとそのダイナミクス」
    岡本 聡(東北大学)

     マイクロ波アシスト記録について単純化したモデル計算を行った。まずマイクロ波の偏光方式による反転過程の違いを検討し,さらに,周波数変調方式による反転効率の著しい向上を見出した。

(岩崎仁志(東芝),五十嵐万壽和(日立))