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第8回ナノマグネティックス専門研究会 報告
テーマ:「ナノレベル磁性体における磁化のダイナミクス」
日 時:2004年10月22日(金)13:30〜18:10
場 所:日立製作所 中央研究所
参加者:約31名
  1. 「交換バイアス型スピンバルブ素子のスピントルク磁化反転」
        (早川純1,2、高橋宏昌1,2、市村雅彦1、伊藤顕知1、池田正二2、大野英男2(1日立、2東北大通研))

      MnIr交換バイアス層を有する微細スピンバルブ素子を作製。電流分極の増大によりスピントルク効率が増大、閾値電流密度が10^7A/cm2に低減。導電性ナノプローブを使った微小ピラーのスピントルク磁化反転の観測についても報告。

  2. 「LLGシミュレーションを用いた GMRヘッドのマグノイズ解析」
        (秋元秀行、石塚俊弘、金井 均、上原裕二、亀山修一(富士通))

      GMRヘッドのマグノイズをLLGシミュレーションにて解析。BN原因として指摘されているFree層起因のノイズに加え, AF-Pin層間の結合が弱くなることに起因するPin層起因のノイズの存在を報告。

  3. 「MFMを用いた極微磁性体の磁化過程解析」
        (石尾 俊二(秋田大))

      垂直磁場中MFMによるFePt垂直磁化島状膜の磁化過程を観察。微粒子サイズ・形状と磁区構造の関係や初期磁化過程が議論された。またパターン媒体や垂直記録媒体中のナノスケール保磁力分布解析法が報告された。

  4. 「スピン緩和とスピンデバイスへの展開」
        (安藤 康夫(東北大))

      電気的、光学的測定によりNiFe薄膜パターンの才差運動を実時間領域で観測。ダンピング定数αを見積もり,Pt、Pd等の非磁性金属との積層化によるαの増大効果を、非磁性層へのスピン緩和・拡散により説明。
  最新の話題を制限時間なし随時質問の形式で進めているナノマグネティクス専門研究会は、講演者と聴衆に高い緊張感を求める研究会となっている。ナノレベル磁性体のダイナミクスをテーマとする本研究会も、活発な質疑応答が行われた。

(九大 松山 公秀,日立 五十嵐 万壽和)