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第4回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時:2003年12月5日(金) 13:15〜17:00
場 所:東京八重洲ホール9F 902号室(東京都中央区)
参加者:約32名

講演内容:
  1. 「FePt薄膜の残留酸素が規則化温度に及ぼす影響」
        (
    喜々津哲、甲斐正、永瀬俊彦、前田知幸、秋山純一、藤岡直美、石上隆(東芝))
      FePtCu規則相合金の規則化温度と膜中の残留酸素濃度に関する検討を行い、酸素濃度が少ないほど規則化温度が低くなることがわかった。酸素はFePt粒子の外側にFeOのシェルを作り、粒の粗大化を抑制することで規則化を起こしにくくするというメカニズムが提案された。

  2. 「有限要素法によるマイクロ磁化解析」
        (清水香壱(富士通)

      マイクロ磁化数値解析に使用されるLLG方程式とベクトルポテンシャルを用いた磁場方程式を連立することで、実用的な汎用有限要素法マイクロ磁化解析システムを開発した。特徴は、LLG方程式の磁化ベクトルを磁場方程式の磁化ベクトルと共通の要素変数として定義することで連成が可能になったことである(LLG方程式は有限体積法を使用)。現在の適用例として、ライトヘッド磁極先端の最適化設計、ハード膜からの磁界解析、リード出力解析等の紹介があった。

  3. 「高感度・高分解能MFMの応用」
        (山岡武博・渡辺和俊・白川部喜春・茅根一夫(セイコーインスツルメンツ)

      真空中Q値自動制御と低モーメント探針の開発により磁気力顕微鏡(MFM)の高感度,高分解能化に成功した。今回は,高感度・高分解能MFMによる高密度磁気記録媒体の現場での詳細な観察方法と,強磁性パターンにおける磁区観察の有効性についての応用の紹介があった。

  4. 「CoPtCr-SiO2垂直磁気記録媒体の構造および磁気特性と電磁変換特性」
        (杉本利夫,下田一正,稲村良作,大島武典,渦巻拓也,田中厚志(富士通研究所)

      CoPtCr-SiO2 垂直媒体では、粒間相互作用の低減、磁気異方性の分散の抑制により媒体ノイズが低減できることを実験的に明らかにした。また、信号緩和評価、動的保磁力解析により熱揺らぎ耐性を評価、妥当性を考察・検証した。
 
 高密度媒体関係の材料的な研究開発成果、超高感度高分解能評価技術、ヘッドの設計手法など、ナノ構造の磁気記録デバイスに関係する最近のトピックスについて4人の方に講演していただいた。32名が参加し、活発なディスカッションが行われ、盛会のうちに本年最後の研究会が終了した。

(名古屋大学 岩田 聡、 富士通研究所 田中 厚志)