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第18回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告
日 時:2006年11月9日(木)13:30〜16:00
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:21名

 磁気の医療及び診断への応用と、磁性流体・粉体の木材改質(磁性化)への応用に関する興味ある研究が紹介された。ハイパーサーミアについては、体内局所で効率良く加温するためにMRIの磁界を用いるユニークな方法が紹介された。また、磁性木材については、サンプルボードを会場に展示したため、理解し易かった。今後の普及が期待される。
  1. 「MRIのrfパルス磁界で励起するハイパーサーミア用共振回路」
    竹村泰司(横国大)

     微小インプラントや磁性ビーズは、体内深部への局所加温ができるので、ハイパーサーミア(癌の温熱治療)への応用が期待されている。LC共振回路は外部磁界を効率よく熱に変換することからインプラントとして使用可能である。MRI(磁気共鳴画像診断)の微弱rf磁界で励磁した共振回路インプラントの温度特性などを紹介し、MRIを励磁源とする利点や共振回路をカテーテルにより体内デリバリーするときの課題を示した。

  2. 「磁性木材の誕生と木質系電波吸収ボード研究開発までの歩み」
    岡英夫(岩手大)

     磁性植物研究から始まった磁性木材研究は、世界で初めて岡グループにより考案・開発された。磁性木材は、木材と磁性流体又は磁性粉体を組み合わせることにより、木材には本来ない磁気特性を積極的に付与することができる。木材特有の素材感、加工容易性、調湿性などの特徴と、磁気機能性を併せ持った磁性木材は、木質建材および家具材など居住空間における幅広い応用が期待される。講演では、磁性木材の作製法や木質系電波吸収建材ボードを紹介した。

(文責 理研 野田紘憙、東工大 阿部正紀)