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第82回マイクロ磁区専門研究会
日 時:平成15年2月14日(金) 13:30-17:30
場 所:富士通(株)クロスカルチャーセンター(川崎市中原区)
参加者:約30名

講演テーマ:
  1. "Feasibility of discrete track perpendicular media for high track density recording"
        (添野佳一、森谷誠、伊藤邦恭、服部一博、青山 勉、松崎幹男(TDK)、
        酒井浩志(昭和電工)

    高TPI化のため、媒体表面の周方向に溝をつけ、トラック間の干渉を低減しようとする試みについて、シミュレーション、実験の両面から検討した結果が報告された。試作した媒体は、トラックピッチは0.3μmで、深さ25nm、狙い幅0.10μmの溝を儲けた構造。裏打ち2層垂直媒体に対して、SPTヘッドを用いてR/Wを行った3トラックプロファイルが示され、トラック間干渉の低減が実測により示された。

  2. "Monolayer of closely packed FePt Islands with a tetragonal L10 structure produced by thermally created mass transport"
        (向井良一、渦巻拓也(富士通研)

    MgO下地を用い、極薄のFePt膜を成膜し、熱処理をin-situで行う。再度MgOを成膜し、FePtを極薄く成膜することの繰り返しにより、FePtの微小な島状結晶を、(100)配向をさせながら形成することができることが示された。また、FePtはX線回折測定により、規則相のピークが観測されることが報告された。

  3. 「スピントンネル接合における高周波磁気インピーダンス特性」
        (海住英生、椎木一夫(慶応大)

    磁気トンネル素子(glass/Co(10 nm)/Al-O(2 nm)/Co(50 nm))を作製し、その高周波インピーダンス特性を詳細に調べた結果が報告された。トンネル接合を抵抗とキャパシタンスの並列回路と見なすことにより、高周波インピーダンス特性がほぼ説明できること、インピーダンスの実部のTMR比がある周波数で極性が反転すること、低周波では虚部のTMR比が実部より高くなることなどが示された。

  4. 「正方形パッドに連結したサブミクロン磁性細線の磁場中磁気力顕微鏡観察」
        (山口明啓、小野輝男、那須三郎(阪大)、三宅耕作(京大化研)、
          壬生 攻(京大低温物質センター)、新庄輝也(国際高等研)

    幅150から200 nmのNiFe磁性細線中の磁壁の挙動を磁気力顕微鏡(MFM)で観察した結果が報告された。印加磁界を反転すると、磁性細線に連結した500nm角の正方形パットとのつなぎ目にトラップされていた磁壁が、外部磁場の増加とともに細線に注入されてゆく様子がMFM像により示された。また、磁性細線に電流を流すことによって、磁壁が移動する現象が見いだされたことが報告されると、その原因がスピン注入現象であるかどうかについて盛んに議論が行われた。
(富士通研 田中厚志 名大 岩田 聡)