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日時:12月17日(金) 13:15〜16:45
場所:エポック中原7階 大会議室 (武蔵中原)
参加者:63名
プログラム:
- 狭トラック垂直記録 山川清志、田口 香、大内一弘(秋田県高度技術研究所)
- 高周波記録特性の計算機シミュレーション 中村 敦、池亀 弘、五十嵐万壽和、吉田 和悦、鈴木 良夫、高野 公史 (日立製作所中央研究所)
- GMRヘッドによるMO媒体の室温記録再生 尾崎一幸、松本幸治、庄野敬二、田河育也((株)富士通研究所、*富士通(株))
- ピエゾ効果による磁化反転制御−圧電体/磁性体複合膜のMRAMへの応用をめざして− 大谷義近、V. Novosad, 深道和明(東北大学)
今回は、磁気記録ヘッドと媒体に関する話題を取り上げた。年末の忙しい時期にも係わらず、 63名が集まり非常に活発な議論が展開され、会議後の懇親会も含め有意義な研究会であった。
まず、秋田県高度技術研究所の山川氏より、垂直磁気記録用の狭トラック高Bs(1.9T)単磁極ヘッドの試作・記録再生特性に関する報告があった。ヘッドのトラック幅を0.3μm(膜厚1μm)まで狭くしても、入出力特性、再生出力(〜200kFRPI)、MFM像から求めた再生出力(〜400 kFRPI)の低下が見られないこと、また、狭トラック化による再生出力(MFM観察)の増大が観察されること等が示された。さらに、記録ビット端における尾引き現象などの問題点・改善方法などの議論がなされた。
次に、日立中研の中村氏より、高周波記録における媒体の磁化反転と記録再生特性について報告があった。パルス磁界を用いた媒体の残留保磁力測定のシミュレーション結果から、ビット間の遷移領域における反磁界補正を行うと、残留保磁力のパルス幅に対する変化は、1ns程度のパルス幅まで磁化の熱擾乱の影響として説明できることが示された。また、記録再生特性のシミュレーションにより、1GHz程度の記録周波数でも、十分な再生出力・オーバーライト特性が得られることが示された。
富士通の尾崎氏からは、面内記録用マージ型GMRヘッドによるTbFeCoアモルファス媒体の室温記録再生に関する報告があった。TbFeCoの組成・構造を工夫することで、CNRで700kFCI近い記録密度(シールドギャップ長0.12μm)まで記録再生が可能であったこと、また、MFM像上では450kFCIまで記録ビットが観察出来たことが示された。媒体の熱揺らぎ特性に関する簡単な報告もあり、白熱した議論が展開された。
最後に、東北大学の大谷氏より、電圧駆動型のMRAMへの応用を意図した圧電体/磁性体複合膜に関する報告があった。直交ピエゾ細線膜の交点上に、磁気異方性を制御した磁性膜を適切な大きさで製膜することで、磁性膜の磁化反転をピエゾ効果により制御可能であるとの計算・シミュレーション結果が示された。また、信号の読み出し方法、多結晶PZTに磁性膜を作製した際の電気的・構造的問題、高密度な記録素子をデバイス化した場合の問題点など、活発な議論が展開された。
(富士通研 田中厚志、東北大 島津武仁)
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