日時:平成11年4月28日 (水) 13:30〜17:00
場所:日本大学理工学部船橋校舎
プログラム:- "磁性金属/非磁性非金属人工格子の層間結合" 遠藤聡,北上修,島田寛(東北大学科学計測研究所)
- " 強磁性/反強磁性結合の磁気余効 " 西岡浩一(日立製作所 ストレージシステム事業部)
- 磁区拡大再生現象の実験的解析" 粟野博之、鷲見聡 (日立マクセル、三洋電機)
- "磁区拡大再生現象の計算機シミュレーション" 仲谷栄伸、林信夫、粟野博之、太田憲雄 (電気通信大学、日立マクセル)
今回のマイクロ磁区専門研究会は、磁性積層膜の磁気結合や光磁気の磁区挙動に関する報告が行われた。以下に概要を報告する。
東北大学の遠藤氏からは、Fe/Si系の半導体的なスペーサにおける磁気結合が報告された。熱処理でSi層におけるアモルファスSiの割合を制御することにより巨大な層間結合が得られることが示された。日立製作所の西岡氏からは、CrMnPt反強磁性膜の交換結合磁界特性のシミュレーションおよび実験結果が報告された。交換結合磁界の経時劣化は対数時間に対してほぼリニアであり、その改善には、媒体の熱揺らぎと同様に結晶粒径の分布をシャープにしてブロッキング温度の分散を抑制することの重要性が示された。
光磁気記録に関しては、MAMMOSと呼ばれる光磁気ディスクの記録・再生方法を研究されている日立マクセルと電気通信大学の2つの研究成果が報告された。MAMMOSは、再生用の光ビーム径よりも小さな記録磁区を高SNRで再生する手法で、本年1月にモントレーで開催された光磁気記録国際シンポジウム(MORIS '99)にて、0.04ミクロンの記録磁区の転写・拡大再生に成功した結果が、実験とシミュレーション結果とを対応させて詳しく示された。
いずれの報告も最先端の話題であり、活発な質疑応答がなされた。引き続き、 先端材料科学センターの色々な装置の見学が行われ、最後の懇親会でも活発なディスカッションが行われた。
(東芝 岩崎仁志)
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