|
|
日時:平成9年12月19日(金) 13:30〜17:10
場所:ソニー(株)本社11号館
参加者:45名
プログラム:
- RhMn及びIrMn反強磁性体を用いたスピンバルブ膜の熱劣化解析
菅原伸浩、前坂明弘、草薙進、瀧口雅史、
岡部明彦、森田悦男、板橋昌夫(ソニ−(株)中研)
- NiMnスピンバルブ膜の交換結合磁界とヘッド特性
中田正文、石綿延行、松寺久雄、山田一彦、
浦井治雄(日本電気(株))
- Microstructure and magnetic properties of nanogranular CoPt-C thin films.
J.-J. Delaunay, T. Hayashi, S. Hirono, M. Tomita, and S. Umemura
NTT Integrated Information & Energy Systems Laboratories,
*NTT Science and Core Technology Laboratories Group
- MnGa/GaAs/MnGa and MnGa/Mn2As/MnGa trilayers:
interlayer coupling and new magnetoresistance effect
W. Van Roy, H. Akinaga*, and S. Miyanishi*,**
JRCAT-ATP, *JRCAT-NAIR,
**also at: Institute of Material Science University of Tsukuba
ソニーの前坂氏はMgO(111)とSi基板上に/Ta/NiFe/CoFe/Cu/CoFe/X/Ta (X=RhMn,
IrMn)の構造をもつスピンバルブ膜を作製し、MgO上の膜のGMR比の熱劣化がSi上のそれより少ないことを見いだした。両者の断面TEM解析、SIMS解析から、このGMR比の熱劣化の原因には結晶粒界を通しての元素拡散が支配的であることを示した。
日本電気の中田氏は、NiFe/X(X=FeMn,NiMn,PdPtMn)スピンバルブ膜の交換結合磁界の熱安定性をCharapのモデルにより解析し、NiMnが最も熱安定性に優れていることを示した。また、高Bs-CoTaZr膜・NiFeメッキ膜複合インダクティブポールと下シールドCoTaZr膜を持つGMR記録再生ヘッドのプロセスについて講演され、磁界方向の互いに異なる磁界中熱処理でも熱処理過程を工夫することで問題なく異方性制御ができ、ヘッドとしての性能を確保できることを示した。 CoC系ナノグラニュラー膜は低ノイズ媒体の候補の1つとして考えられているが、Hcが低いのが従来から問題であった。
NTTのDelaunay氏は、今回、Ptを添加したCo45Pt15C40膜(イオンビームス パッタ法により成膜)を作製し、 Hcが〜1800 Oeまで増大できることを報告した。更に、Hcが増大する原因を、組成比とHc、グレインサイズに基づき議論し、この中でinter grain Carbideの存在が重要であることを強調された。
JRCAT-ATPのVan Roy氏は、GaAs基板上にMBEでエピタキシャル成長させたMnGa/(Mn,Ga,A s)/MnGaの3層膜の新規なGMR現象について講演された。上下スピン平行をP、上下ス ピン反平行をAPとすると、P配置のときの抵抗がAP配置の抵抗より高くなる(いわゆる inverse GMRではない)従来のGMRには見られない現象を見い出し、その原因について界面のfrustrated spinと関係づけて議論がなされ、終始活発な討論が行われた。
研究会終了後に恒例の忘年会(参加者27名)を開催し、懇親を深めることができた。
(ソニー中研 宮内貞一 )
|
|
|
|
|
|