103.01

分野:
磁気記録
タイトル:
第24回IEEE磁気記録国際会議(TMRC 2013)報告(その1)
-各技術の適用時期についてのアンケート投票結果-
出典:
http://www.tmrc2013.riec.tohoku.ac.jp/
 
 
概要:
 「1 Terabit/inch2を超える磁気記録技術」をテーマとするTMRC(The Magnetic Recording Conference) 2013が、8月20日より3日間、東工大大岡山キャンパスの蔵前会館にて開催された。
 
 
本文:
 TMRCは、磁気記録の最先端技術をテーマに、IEEE主催で毎年開催される夏の国際会議である。本年は、8月20日より3日間、東工大大岡山キャンパスの蔵前会館にて、熱い議論が繰り広げられた。
本会議の特徴はシングルセッションで、最先端技術を紹介する口頭発表者(36名)は全員招待講演で構成されていることである。加えて、夕方には、当日の発表者によるポスター発表も行われ、出席者がとことん議論する場となることで知られている。ポスター会場では、また、関連分野のContributed paper発表、企業展示などが隣接しており、全員が一体感をもって磁気記録を牽引する雰囲気となることが意図されている。セッションテーマは、20日AM:ビットパタン(BPM)記録、20日PM:垂直記録の拡張、21日AM::熱アシスト記録(HAMR)とHDI、21日PM:SMRと2次元記録(TDMR)、22日AM::先進的センサと記録(MAMR)技術、22日PM::熱アシスト記録媒体。最終日の昼休みには、出席者全員による各技術の適用時期を問うアンケート投票が行われ、以下のような結果となった。

   BPM  HAMR  MAMR  TDMR
 適用時期(年)  2019.9  2017.9  2017.1  2017.1
 適用とする人の割合  48%  66%  61%  65%

 
 これまで、ダークホース的扱いだったMAMRが、意外にもTDMRとならんで、最も早く適用されると考える人が多かったのが印象的である。これは、MAMRではシミュレーションや磁性ドットのマイクロ波アシスト反転実験(E3)だけでなく、スピンスタンドによるR/W実験が示された(E1)のが大きいと思われる。これに対して、BPMやHAMRの発表は、課題を着実にクリアしているものの、まだ十分ではないとの印象を聴衆に与えたようである。集計は、大学・企業別、日本・米国別にも行われており、それぞれの特徴が出ており興味深い。詳細は、TMRC 2013ホームページをご覧いただきたい。

(HGST 五十嵐万壽和)

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