35.03

分野:
磁気記録
タイトル:
高感度HDD用TMRヘッド
出典:
日刊工業新聞 4/20
 
概要:
 富士通と富士通研究所は、磁気感度を従来の3倍に高めたHDD用再生磁気ヘッドを開発した。今年度中に、現行の約2倍に相当する面記録密度=250Gbit/in2のHDDに適用する予定としている。
本文:
 富士通と富士通研究所は、磁気感度を従来の3倍に高めたHDD用再生磁気ヘッドを開発した。今年度中に、現行の約2倍に相当する面記録密度=250Gbit/in2のHDDに適用する予定。同技術は500 Gbit/in2クラスの製品まで適用可能としている。

 開発したTMRヘッドは障壁層に酸化マグネシウムを採用している。この酸化マグネシウムをスパッタイリングで形成する際チャンバ内の酸素汚染を取り除いて、安定的に結晶面を配向させている。障壁層として、従来の酸化アルミニウムからこのような結晶配向した酸化マグネシウムを用いることで、磁気抵抗比を70~80%まで向上できた。さらに、障壁層の周りに多層磁性膜を設け、外部の磁界の影響で弾性変形する磁歪現象を1ケタ抑えることにも成功している。 

(福島大 岡沼信一)

磁気記録

前の記事

35.02
磁気記録

次の記事

35.04