58.05
- 分野:
- 磁気応用
- タイトル:
- 第3回強磁場応用専門研究会
- 概要:
- 2008/11/10信州大学 松本キャンパスにて開催、参加者は30名であった。今年度からスタートした強磁場応用専門研究会は、日本磁気科学会との連携のチャンネルとしての役割も果たす。第1回は、本会学術講演会で日本磁気科学会との共催シンポジウムを開催し、第2回は、日本磁気科学会の年次大会で本会との共催セッションを開催しているので、この第3回が初めての単独開催の研究会となった。今回は、磁気学会的な話題と磁気科学会的な話題を各1件取り上げた。
- 本文:
1. 「磁性がからむ機能材料についての基礎研究」天児 寧 (信州大)
ホイスラー合金やラーベス相などの遷移金属化合物がハーフメタル特性、強磁性形状記憶効果、熱電効果等多彩な機能特性を持っていることが明らかになり、新機能材料の有力な候補として基礎、応用の両面から活発に研究がなされている。本講演では、(Fe,Mn) Rh系合金や、マルテンサイト変態を示すNi2Mn1-xFexGa合金系やハーフメタルとなるRu2-xFexCrGe合金系について、磁化測定やメスバウアー測定からそれらの物質が示す磁性とその温度依存性について論じられた。
2. 「強磁気力発生マグネットでつくる地上の微小重力・過重力空間を利用した磁気科学研究」藤原好恒 (広島大)
近年の磁気科学の研究において強い磁石を利用する理由は,強磁場そのものが及ぼす効果や影響だけではなく,強い磁気力が引き起こす効果や影響に魅力があるからである。本講演では、高磁気力型超伝導磁石を使って重力の効果を制御した環境下でソフトマテリアル、生物などを対象として観測される現象について紹介された。重力制御のみならず、配向など磁場印加の効果も見られ、強磁場が新規のプロセス制御の手法として期待できることなどが述べられた。
(物材機構 廣田憲之)