42.02
- 分野:
- スピンエレクトロニクス
- タイトル:
- 垂直磁化方式のMTJ素子で世界初動作
- 出典:
- 東芝のプレスリリース
(http://www.toshiba.co.jp/about/press/2007_11/pr_j0601.htm) - 概要: 東芝はMRAMをギガビット級に大容量化するための要素技術として、微細化に適したスピン注入磁化反転技術と素子寸法を大幅に削減できる垂直磁化方式を組み合わせた新型MTJ素子を開発した。
- 本文:
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東芝はMRAMをギガビット級に大容量化するための要素技術として、微細化に適したスピン注入磁化反転技術と素子寸法を大幅に削減できる垂直磁化方式を組み合わせた新型MTJ素子を開発した。この成果は11月に開催されたMMM(Conference on Magnetism and Magnetic Materials)で発表された。垂直磁化膜を記憶層および固定層に用い、トンネルバリア層であるMgOの上下には1nm前後の極薄なCoFeB層を形成し、各層を極めて平滑な界面で接合した。
MTJの形状は、直径0.13μmの円形で、フリー層に垂直方向の保磁力が1 kOeを超える磁性層を用いているが、3×106 A/cmの電流密度で磁化反転が実現されている。
垂直MTJを用いたスピン注入方式は、MTJの微細化に有利な方式であり、今回の成果によりギガビット級の大容量MRAMの実現が近づいた。今後は、よりスピン注入に適した材料の開発や、集積化に必要なばらつき低減技術などの開発を続け、数年以内に各要素技術を統合した基盤技術として確立を目指す。
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(NEC 末光 克巳)