31.03
- 分野:
- 磁気記録
- タイトル:
- 高密度ハードディスク向けアルミナナノホール列の形成に成功
- 出典:
- 富士通(株)の1/10プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/01/10-1.html - 概要:
- 山形富士通、富士通研究所および神奈川科学技術アカデミーは、次世代のハードディスク記録媒体に向けた陽極酸化アルミナナノホールの形成において、世界で初めて25nm 間隔の一次元配列に成功した。これにより、1Tbit/inch2の記録密度を持つ磁気記録の実現が期待できる。
- 本文:
- 山形富士通、富士通研究所および神奈川科学技術アカデミーは協同で、陽極酸化アルミナナノホールの一次元配列に取り組んでいたが(MSJ技術情報13.07の項)、今回、世界で初めて25nm 間隔のナノホール列の形成に成功した。 ハードディスクの記録密度を向上するために、熱アシスト記録やパターンドメディアなどの新技術が提案されている。このなかで、磁性材料を人工的に規則正しく並べたパターンドメディアは、従来のハードディスク技術を踏襲しながら高密度化できるというメリットがある。一方で、磁性材料を規則正しく加工することが難しいという課題があった。これを克服するために、自己組織的にアルミナナノホールを形成して、その中に磁性金属を充填する方式が提案されている。また、ナノホールを一次元的に配列するために、アルミニウム表面にライン状の凹凸パターンを形成してこの凹部にナノホールを形成する方式が提案され、一次元配列の間隔を45nmまで狭められることが示されている。 今回、ナノホールの間隔を更に狭めるために、ライン状の凹凸を50nm間隔で形成するとともに、陽極酸化条件を最適化することで、凹部の両側に25nm間隔のナノホールを形成することに成功している。この技術をさらに改良することで、1Tbit/inch2の記録再生を目指すという。
(富士通研究所 松本幸治)