24.03
- 分野:
- 磁気記録
- 出典:
- 富士フイルムのプレスリリース(2006.5.17)
- タイトル:
- バリウムフェライト磁性体を用いた磁気テープ媒体の開発
- 概要:
- 富士フイルムはバリウムフェライト(BaFe)磁性体を用いた、テープ媒体で世界最高密度「6.67Gbpsi」のデータ記録に成功した。
- 本文:
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富士写真フイルム株式会社は、バリウムフェライト(BaFe)磁性体を採用した磁気記録メディアを使用し、IBMアルマデン研究所との共同研究により、記録密度が現行テープ比で15倍以上となる、6.67Gbpsiのデータ記録に世界で初めて成功した。
BaFe磁性体は、微粒子化(粒径:21nm)しても、結晶磁気異方性 によって高い保磁力を持ち、周波数特性にも優れ、従来のメタル系の磁性体よりノイズが低い。この磁性体微粒子を独自のNANOCUBIC技術という方法で、均一に分散し、65nmの厚みで均一かつ超平滑に塗布することに成功した。
またBaFe磁性体はGMRヘッドとの適合性も高く、IBMの技術と組み合わせることで、6.67Gbpsiの高密度記録を達成した。これにより1巻当たりの記録容量が現行テープ比で20倍となる、8TBの大容量データカートリッジの開発が、将来的に可能となる見通しを得た。この新しい技術より、磁気テープ媒体は今後も信頼性の高い大容量データストレージとして大きな役割を果たすことが期待される。
(NEC 末光克巳)