第3回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告
日 時:2003年10月7日(火)13:30~16:30
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:50名
講演内容:
- 「Building an interface to biomolecular processes
with magnetoelectronics」Jeff M. Byers(Naval Research Laboratory, U. S.
A.)磁性ビーズを用い、磁気抵抗効果の計測技術を応用した分子生物学的プロセスの電気的計測について紹介した。当グループでは、磁性ビーズを用いた応用研究を三つのフェーズに分けており、磁性ビーズ開発、センサーアレイ開発はほぼ終了し、これらをもとに集積化されたアクチュエータ開発の段階に入っている。
- 「アフィニティビーズの開発と磁性化による新展開」
半田宏(東工大)
アフィニティビーズより高収率・高純度で得られた転写因子や薬剤結合タンパク質を用いて展開された転写機構やケミカルバイオロジーについて解説した。また、従来ビーズを磁性化した新規アフィニティ磁気ビーズの構築およびその応用展開についても解説した。
- 「磁性微粒子の実用例―NAT(核酸増幅検査)による血液クリーニングの自動化」
玉造滋(ロシュ・ダイアグノスティックス)
NAT(核酸増幅検査)によりウイルスのゲノム核酸を検出することでウインドウ期を最小限に縮めうる検査法が導入されたいきさつと、同検査法の原理を紹介した。これに用いられている磁性ビーズについても解説し、問題点を指摘した。
- 自由討論
先ず、すでに公表した12月9日開催の第4回専門研究会の日時・場所・題目等を確認した。
(Web-site参照)
今回の研究会は、海外の研究者による講演を含む特別専門研究会として公表したため、磁性ナノ微粒子の応用に興味を持つ多くの研究者・学生が参加した。また、専門雑誌記者による取材もあり、本研究会が注目されている証左である。
ロシュダイアグノスティックス 玉造滋、理研 野田紘憙 )