第32回強磁場応用専門研究会

共催:
低温工学・超電導学会2014年度第3回 多次元拘束磁場の発生と物質応答に関する調査研究会
協賛:
応用物理学会 磁気科学研究会
 
磁場発生技術における高磁場化・大口径化の進展は、高磁場利用のラボレベルでの普及を推し進め、物質・生体の形態制御や分離技術などの応用研究、物理的・化学的基礎研究などへと展開されています。この分野の研究進展に伴い、利用される磁場は時間的にも空間的にも多次元的となり、その用途も多様化し続けています。
第32回強磁場応用専門研究会は、低温工学・超電導学会 多次元拘束磁場の発生と物質応答に関する調査研究会との共催で、応用物理学会 磁気科学研究会の協賛を頂き、開催いたします。物質・材料研究機構の松本真治先生には、強磁場発生への高温超電導材料の適用に関する研究について、東京大学の中村 顕先生には、超伝導磁石による高磁気力環境を利用した高品位タンパク質結晶生成への取り組みについてご講演頂けることになっています。できるだけじっくりと議論するため、講演時間を長くとり、基礎的な部分から解説いただける予定です。
日時 :
2015年3月19日(木) 13:30~17:00
場所 :
東京大学 本郷キャンパス 浅野地区 工学部9号館1階大会議室
(〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_10_j.html
会費 :
無料
プログラム
 
13:30-15:10
「高温超伝導材料の強磁場発生への応用」
松本真治(物質・材料研究機構)
高温超伝導材料は、コイル、電流リード、バルク磁石など強磁場発生に応用されている。従来の低温超伝導コイルの限界を超える強磁場磁石開発には、高温超伝導コイルが不可欠である。物質・材料研究機構において、高温超伝導コイルを組み込んだ、超1 GHz(23.5 T)級NMRシステム開発を他機関と共同で実施している。また、高温超伝導バルク材を応用した磁気レンズによる強磁場発生に取り組んで来た。これら、物質・材料研究機構における、高温超伝導材料を応用した強磁場発生について報告する。
15:10-15:20
休憩
15:20-17:00
「超伝導磁石による高磁気力環境を利用した高品位タンパク質結晶生成の試み」
中村顕1、田之倉優1、廣田憲之2、和田仁2
1東京大学大学院 農学生命科学研究科、2物質・材料研究機構)
タンパク質は生命にとって重要なはたらきを持つ分子であるが、その機能を詳細に理解するうえで、高精度に決定された立体構造の情報が不可欠である。現在までにX線結晶構造解析によって10万近くのタンパク質立体構造が報告されているが、高分解能のX線回折像を与えるタンパク質結晶の取得は非常に難しい。われわれは、この課題を解決すべく、タンパク質結晶品質の向上に寄与する強磁場および高磁気力環境を利用した実験装置を開発した。本装置では、結晶化過程をin situで観察することができるため、高効率に高品質の結晶を生成させることができると期待される。
オーガナイザー
杉山 敦史 sugiyama@aoni.waseda.jp
森本 良一 morimotoryoichi@mbn.nifty.com