推奨単位

当学会誌で使用されている単位が統一されておらず一部に混乱が見られます.このため,当学会として統一した推奨単位を提示することとなりました.国際的な流れに従い,当学会も国際単位系(SI)を推奨単位とします.しかし,磁気関連ではSIへの移行が他分野ほど進んではいないのが現状です.そこで,当学会としましてはSIを推奨単位系としますが,cgs単位系等他の単位系の使用を拒むものとはしません.ただし,それらの混用は避けていただきます.今後は下記Table 1~3の換算表を参考にしていただき,SI単位での記述にご協力をお願いいたします.

(編集委員会)

推奨単位 (Word file はこちら)

Table 1 磁気関連諸量のSI単位への換算表.

記号 cgs-Gauss単位 B = H + 4M cgs-Gauss→MKSAへの
変換係数
cgs-Gauss→SIへの
変換係数
MKSA単位
(E-H対応)
B = μ0 H + I
MKSA→SI単位への
変換係数
SI単位(E-B対応)
B = μ0(H + M )
磁束密度 B G 10-4 10-4 T, Wb/m2 1 T, Wb/m2
磁束 Φ Mx 10-8 10-8 Wb 1 Wb
起磁力 V m Gb 10/4 10/4 A 1 A
磁界、磁場 H Oe 103/4 103/4 A/m 1 A/m
(体積)磁化 M, I emu/cm3 4×10-4 103 Wb/m2 1/μ0 A/m, J/(T・m3)
質量磁化 σ emu/g μ0 1 (Wb・m)/kg 1/μ0 A・m2/kgJ/(T・kg)
磁気モーメント m emu 4×1010 10-3 Wb・m 1/μ0 A・m2, J/T
磁化率、帯磁率 χ ―,
(emu/(cm3・Oe))
4μ0 4 H/m (注1) 1/μ0 ― (注2)
真空の透磁率 μ0 1 4 × 10-70 μ0 H/m 1 H/m
透磁率 μ μ0 μ0 H/m 1 H/m
反磁界係数 N ― (注3) 1/4 1/4 ― (注4) 1 ― (注5)
最大エネルギー積 (BH)max G・Oe 10-1/4 10-1/4 J/m3 1 J/m3
エネルギー密度 E, K erg/cm3 10-1 10-1 J/m3 1 J/m3

(注1) I = χH.χr = χ/μ0 とした χr はSI単位の χ と同じになる.
(注2) M = χH
(注3) Nx+Ny+Nz = 4
(注4)反磁界:Hd = – (N0 ) ・ INx+Ny+Nz = 1
(注5)反磁界:Hd = – N MNx+Ny+Nz = 1

Table 2磁気記録や光記録分野で使用されているインチ系諸量の換算表.

インチ系 推奨単位への変換係数 推奨単位(注6) 備考
線記録密度 bpi, frpi, fci 100/2.54 bit/m, fr/m, fc/m Mfr/mなどと接頭語を用いる(注7)
面記録密度 bit/in2 104 / 6.45 bit/m2 Tbit/m2などと接頭語を用いる(注7)

(注6)これらはSI単位ではない.
(注7) bit/mm, fr/mm,bit/mm2なども用いられている.

Table 3 SI単位とすべき諸量の換算表.

単位 推奨単位への変換係数 推奨単位 備考
長さ 0.1 nm 国際的には暫定使用扱い
圧力 Torr, mmHg 133.322 Pa

その他、日 (d),時 (h),分 (min) は SI の s と,また,平面角の度 ( °),分 ( ‘ ),秒 ( ” ) は SI の rad との併用が国際的に認められていますので無理に直す必要はありません.