第93回研究会 第47回マイクロ磁区専門研究会(共催)
超高密度磁気記録の現状と今後の展望
日 時:平成8年2月1日13:00-2月2日16:00
場 所:バナヒルズ大坂 (大阪府吹田市)
参加者:129名
本研究会は, 近年, 急速な商密度化が進むハードディスク(HDD)技術について. 来世紀初領に実用化されると予想される1O GbM/sqiを理える笹芯密度妃禄に必甥なヘッド・媒体など磁気記録技術について各要素技術の進歩を正確に見据えるとともにそれら相互の繁がりの上で方向性を見い出そうという企図で開催された.
今研究会はー泊で参加者は全員同一場所に宿泊する合宿形式で行ったので,初日の終了後・各参加者間で自由な議論を交わすことができた.
なお, オーガナイザの予想以上の参加希望申し込みを頂きましたが, 会場収容人員の制限でー部御希望に添えなかったことをお詫び致します.
2月1日(木)
- 超高記録密度を実現させるHDD技術
座長:杉田愃(日立)
13:00-13:45 PC・WSからみたHDD技術
野田紘憙(日本IBM)13:45-14:30 超高密度磁気記録方式の課題と展望
青井基(日立)14:30-15:15 高密度磁気ディスク媒体
田上勝通(NEC)
休憩(15:15-15:30)
座長:中村慶久(東北大)15:30-16:15 超高密度実現へのMRヘッド技術
松崎幹男(TDK)16:15-17:00 メカ・サーボ、HDI技術の現状と展望
植松幸弘、山本尚之(富士通)
夕食(17:00-18:15)
- パネルディスカッション
司会:法橋滋郎(ソニー)
18:15-21:00 媒体から見たポスト10 Gbits/inch2への可能性
2月2日(金)
- 超高記録密度HDD用ヘッドの現状と展望
座長:田上勝通(NEC)
09:00-09:30 DSMRヘッドの電磁変換特性
渕上祥児、金澤勝矢、青柳潤、*Kochan Ju, *Yimin Hsu, *Yimin Guo (旭コマグ、*Headway Technologies)09:30-10:00 縦形MRヘッド
福山宗克、福元康司、柴田拓二、斎藤憲男、早田裕(ソニー)10:00-10:30 NiOを用いたSVヘッドの再生特性
鈴木良夫、中本一広、浜川佳弘、府山盛明(日立)11:00-11:30 スピンバルブMR/インダクティブヘッドの出力特性
照沼幸一、宮内大助、川島宏明、酒井正則、松崎幹男(TDK)
昼食(11:30-12:20)
座長:大内一弘(秋田高技研)12:20-12:50 垂直磁気記録による超10 Gbit/inch2へのアプローチ
村岡裕明、中村慶久(東北大)12:50-13:20 マージ型MRヘッドを用いた垂直磁気記録
園部義明、池田圭宏、内田博、豊岡孝資(日本IBM)13:20-13:50 計算機シミュレーションによる垂直磁気記録の高密度化の検討
吉田和悦、原美紀、平山義幸、杉田愃(日立)
休憩(13:50-14:00)
- ワークショップ
座長:三浦義正(富士通)
14:00-15:30 ポスト10 Gbits/inch2を支えるヘッド技術とその展望
- まとめ
15:30-15:50中村慶久(東北大)第1日目前半では超高密度HDDの各要素技術について展望 と課題が提示され, 後半では記録媒体の課題に絞りバネルディ スカッションがなされた.
まず, 超向密度HDDへのニーズからの要求として, HDDに 高密度化に併せ, 高速化, 小型化などをバランス良く実現させ ることが必要であるとの指摘があった(野田氏). 次いで20 Gbits/sqi HDDのR/W系モデルが提示され, 課題として新信 号処理方式の開発, スビンバルプによる再生ヘッドの高密度化 などが挙げられた(一井氏). 記録媒体では, ノイズ抑制のため には媒体結晶粒微小化が必要であるが, 熱的不安定性の検討が 必要な領域に達すること, この点で現在の長手記録に対し垂直 記録が有利であるとの指摘があった(二本氏・田上氏).ヘッド では再生用のMRヘッドは種々の欠点があるにもかかわらず, 低インダクタンスなど超高密度記録に不可欠な長所をもってお り, GMR効果を用いたスビンバルプヘッドは1O Gbits/sqi以 上の高密度に対応できるボテンシャルがあること、記録ヘッド は高Bs材料ホールにより高線記録密度化に対応する必要があ ること, 記録ヘッド再生ヘッドともサプミクロン対応の微細加 工技術が大きな課題であることが指補された(松崎氏).メカ・ サーボでは高密度のヘッド位置決め技術が課題であるがこの領 域の研究者, 技術者が不足していること, HDIの領技では低浮 上時の保護膜薄層化とスティクションを回費する技術賄発の必 要性が指摘された(植松氏).
第2日は講演とワークショップ形式の討論によりMRヘッ ド開発の現状と展望・および記録方式の枝村について議論され た.
高密度化に伴い, 狭トラック化, 低スベーシング化に適合し たMRヘッドが必要となる.媒体との接触によるサーマルナス ベリティの抑制に優れた効果を示すヘッド構成として, 2枚の MR素子で構成する DSMRヘッド(渕上氏), 狭トラックの形 成が容易なヘッドとして縦型MRヘッド(福山氏)の特性が紹 介された.超高密度の再生に対応できるヘッド構成として, 今 後さらにノンシールド型ヘッドも含め検討が進むことを期待し たい.高出力化に期してはスビンバルブ(SV)ヘッドが有望で ある.反強磁性膜としてNi0を用いたSVヘッド(鈴木氏)と FeMnを用いたSVヘッド(照沼氏)が紹介された.現状で1 umあたり400-500uVの出力が得られており, 軽高密度用 ヘッドとしてのボテンシャルが示された.
記録方式に閉して, 1OGbits/sqi以上超高密度の記録万式と して垂直記録によるマルチトラック並列記録の試み(村岡氏), MRヘッドによる垂直記録特性(園部氏), 数値計算による超高 密度垂直記録特性(吉田氏)が報告された.記録方式に関して は長手/垂直記録とも超高密度時の記録再生過程について, 今 後さらに検討が進むことを期待したい.第1日目前半では超高密度HDDの各要素技術について展望 と課題が提示され, 後半では記録媒体の課題に絞りバネルディ スカッションがなされた.
まず, 超向密度HDDへのニーズからの要求として, HDDに 高密度化に併せ, 高速化, 小型化などをバランス良く実現させ ることが必要であるとの指摘があった(野田氏). 次いで20 Gbits/sqi HDDのR/W系モデルが提示され, 課題として新信 号処理方式の開発, スビンバルプによる再生ヘッドの高密度化 などが挙げられた(一井氏). 記録媒体では, ノイズ抑制のため には媒体結晶粒微小化が必要であるが, 熱的不安定性の検討が 必要な領域に達すること, この点で現在の長手記録に対し垂直 記録が有利であるとの指摘があった(二本氏・田上氏).ヘッド では再生用のMRヘッドは種々の欠点があるにもかかわらず, 低インダクタンスなど超高密度記録に不可欠な長所をもってお り, GMR効果を用いたスビンバルプヘッドは1O Gbits/sqi以 上の高密度に対応できるボテンシャルがあること、記録ヘッド は高Bs材料ホールにより高線記録密度化に対応する必要があ ること, 記録ヘッド再生ヘッドともサプミクロン対応の微細加 工技術が大きな課題であることが指補された(松崎氏).メカ・ サーボでは高密度のヘッド位置決め技術が課題であるがこの領 域の研究者, 技術者が不足していること, HDIの領技では低浮 上時の保護膜薄層化とスティクションを回費する技術賄発の必 要性が指摘された(植松氏).
第2日は講演とワークショップ形式の討論によりMRヘッ ド開発の現状と展望・および記録方式の枝村について議論され た.
高密度化に伴い, 狭トラック化, 低スベーシング化に適合し たMRヘッドが必要となる.媒体との接触によるサーマルナス ベリティの抑制に優れた効果を示すヘッド構成として, 2枚の MR素子で構成する DSMRヘッド(渕上氏), 狭トラックの形 成が容易なヘッドとして縦型MRヘッド(福山氏)の特性が紹 介された.超高密度の再生に対応できるヘッド構成として, 今 後さらにノンシールド型ヘッドも含め検討が進むことを期待し たい.高出力化に期してはスビンバルブ(SV)ヘッドが有望で ある.反強磁性膜としてNi0を用いたSVヘッド(鈴木氏)と FeMnを用いたSVヘッド(照沼氏)が紹介された.現状で1 umあたり400-500uVの出力が得られており, 軽高密度用 ヘッドとしてのボテンシャルが示された.
記録方式に閉して, 1OGbits/sqi以上超高密度の記録万式と して垂直記録によるマルチトラック並列記録の試み(村岡氏), MRヘッドによる垂直記録特性(園部氏), 数値計算による超高 密度垂直記録特性(吉田氏)が報告された.記録方式に関して は長手/垂直記録とも超高密度時の記録再生過程について, 今 後さらに検討が進むことを期待したい.(NEC:松寺久椎)