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「磁性ナノ粒子の検出とバイオメディカル応用」
日時:2009年2月3日(火) 13:00~17:00
場所:東京工業大学大岡山キャンパス
共催: IEEE Mag. Soc. Japan Chapter
参加者:41名
磁性ナノ粒子のバイオメディカル応用として、基礎から臨床まで広域に渡る研究開発が益々活発に行われている。肝臓癌検査用のMRI造影剤は、磁性ナノ粒子を体内で使用しているものであり、一方、生体外での利用としては、生体分子などの分離・検出技術が実用化されている。今回の研究会では、磁性ナノ粒子の検出をキーワードに、最新の研究が報告され、磁性ナノ粒子のバイオメディカル応用に関連する研究開発のトレンドと今後の展望に関して活発な議論が交わされた。以下に各講演の概要を示す。
講演内容:
- 「磁気ビーズを用いたがん診断技術―センチネルリンパ節同定とMRI造影」
阿部正紀(東工大)
磁性微粒子に交流磁界を印加した際に音波を発する現象を見いだしたこと、及びこの励磁音響効果を利用して、センチネルリンパ節の位置を同定し、癌の転移を判定する新しい技術について報告がなされた。また、微小な転移や小細胞癌を検出するために開発している高性能のMRI造影剤に関する研究成果も紹介された。
- 「磁気抵抗素子および磁気自己組織化に基づくナノ磁性粒子の検出」
Adarsh Sandhu(東工大)
磁性微粒子の自己組織化を用いて、130 nmのターゲット磁性微粒子の検出に成功したことが報告された。この方法を利用することにより、高速・高感度な医療診断が可能になることなどが紹介された。
- 「磁気インピーダンスセンサによる生体細胞磁気計測」
内山 剛(名大)
pTレベルの磁界検出分解能を有する磁気インピーダンスセンサによる生体細胞磁気計測法が紹介された。細胞の活性度評価や細胞イオンチャネル電流波形の計測結果、再生医療など細胞工学への応用の可能性が報告された。
- 「SQUID高感度磁気センサを用いた磁性金属微粒子の検出」
田中三郎(豊橋技科大)
高温超伝導SQUIDを用いて食品内の磁性金属異物検出や、リチウムイオン電池、半導体パッケージ中の磁性金属異物検出の方法と実験結果、実用化されている装置などに関する報告がなされた。
- 「微小磁気計測用SQUID磁束計の開発 −生体磁気計測と磁性微粒子計測−」
小林宏一郎1、小山大介1、吉澤正人1、内川義則2、Quentin Pankhurst3(1岩手大、2東京電機大、3Univ. College London)
磁気シールドルーム外で動作する生体磁気・非破壊検査用SQUID磁力計の開発を目指した、アナログFLL回路とデジタルFLL回路を併用するハイブリッド式FLL回路の提案が報告された。2kHzの磁気信号と心磁図を同時計測した結果などが紹介された。
(文責:竹村泰司 (横国大))
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