第14回「磁性多膚腰の新しい機能専門研究会」

高密度光磁気記録

日時: 平成7年12月14日(木)14:00-17:40
15日(金)9:10-14:20
場 所:静岡厚生年金休暇センター
参加者:47名

標記専門研究会は・第14回磁性多層膜の新しい機能専門研 究会と電気学会マグネティックス研究会との合同研究会として 開催された.

1.光導波路ヘッドの再生特性
宮内貞一(ソニー)
2.磁界変調記録FADによる高密度記録再生
坂本哲洋(ソニー)
3.再生層における磁区安定性を利用した磁気的超解像ディスク
広兼順司(シャープ)
4.初期化磁石不要な3層RAD媒体の高密度記録特性
玉野井 健(富士通研究所)
5.理解像の方式と繰り返し記録耐久性の関係
高橋小弥太,片山晃治,近藤昭夫(東ソー)
6.界面磁壁エネルギーの温度変化シミュレーション
小林 正,塩見 繋,増田守男(三重大) 田畑正浩(日本ビクター)
7.徴小磁区形成と評価方法
粟野博之(日立)
8.ポリカーポネート基板における光磁媒体ノイズ
井出次男(セイコーェプソン)
9.CONi/Pt multilayer lnvestigation by kerr spectroS
WiIIiam Van Drentl *Qi Meng,*Cock Lodder,*Theo popma,
Takao Suzuki(Toyota Tech.lnst・*MESA Res.lnst.)
10.多値光磁気記録情報の波長多重再生の理論的検討
中川活二,停藤彰義(日大)
11.Mnpt9系規則合金膜の作製とその磁気光学スペクトル
加藤剛司,岩田 聡・綱島 滋(名大)

宮内氏(ソニー)は,磁気ヘッドにより記録した垂直磁気パ ターンを,回折限界以下に光を閉じ込めた光虫波路再生ヘッド によって読み出した.

坂本氏(ソニー)は,FAD媒体に磁界変調記録する場合に は,媒体構造の熱に対する応答性が重要であることを示した.

広兼氏(シャープ)は,N・MSRとC・MSR媒体の動作原理 と,記録再性特性について報告した.

玉野井氏(富士通研究所)は,初期化磁石を必要としないダ ブルマスクRAD媒体の原理と・記録再性特性を報告した.再 生磁場は要るものの大きな初期化磁場が不要で,装置の小型化 に有効である.

高橋氏(東ソー)は,様々なRAD媒体を分類し,RAD・ D.RADI CADについて繰り返し記録耐久性についての詳細な 検討結果を報告した.

小林(三重大)は・界面磁壁エネルギーの温度変化シミュ レーションを行い,中間層膜厚と磁壁厚さとの関係が重要であ ることを示した.

粟野氏(日立)は,スパツタビッター法・ MFM法,Spm SEM法を用いた磁区観察の方法と特長を述べ・光磁気記録煤 体への応用について報告した.

井出氏(セイコーェプソン)は・PCインジェクション基板・ PC/2P基板 glass/2P基板を用いて基板ノイズを比鮫し・ PC に特有なノイズについて解析した. Drent氏(Toyota Tech.lnst.)は,Co/PtのCurie温度の低 下を目的としてCoのー部をNiで置換したCoNi/Pt多層膜を 作製した.磁気光学効果の波長依存性を計算し,実験結果と比 較した.

中川氏(日大)は,多値記録におけるSNRの低下の欠点を解 決するために,波長多重再生方式を提案した.

加藤氏(名大)は・光磁気記録の未釆を見据え,Mnpt3系規 則合金膜の作製と,磁気,および磁気光学効果について報告し た.

現在・リムーバプル媒体は戦国時代に突入し・様々な媒体が 次から次へと提案されるー方,その中のいくつかは消えつつあ る.光磁気鏡媒体がこの戦国時代を乗り切るためには,この研 究会のような技術者の交流と協力が不可欠と思われる.

(三重大 小林 正)