第13回磁性多層膜の新しい様能専門研究会

日 時:平成7年10月 19日(木)14:00-17:00
会 場:日本大学理工学部駿河台校舎1号館2階 第2会議室
参加者:29名

今回は磁性多層膜を用いた光磁気ディスクとして,以下の3 件の発表をお願いした.

1.面内磁化膜を用いた磁気超解像媒体
岡田 健,広木知之,西村直樹(キャノン)
2.新しい記録補償技術を用いたMSR高密度記録
管野正喜(ソニー)
3.PWM記録光変調ダイレクトオーバーライト光磁気ディスクメモリ
石井浩一郎(ニコン)

岡田氏の発表したCADと呼ばれる磁気超解像(MSR)は・ダ プルマスクにより線密度とトラック密度の両方の向上を狙った ものであった.多層膜の結合方法として,静磁結合タイプと交 換結合タイプを比較検討し,静磁結合タイプは再生時の磁界 マージンが狭いものの,クロストーク特性が良いことが示され た.
管野氏は,MSR-FADメディアにビット長が 0.27um の高 密度光変調記録を行うための記録の工夫を発表した.ランダム データのマーク長とスペース長の組み合わせ別にジッターを解 析する手法の説明と,2Tマークと3T以上のマークを独立に 制御する新しい記録補償回路を紹介し,記録パヮーマージンが 拡がったことを報告した.
石井氏は第1世代の光磁気ディスクの3倍容量の光変調 オーバーライトデイスクについて,磁性6層膜を用いているが 膿特性の制御は十分可能で,記録バワーマージン ±15%が得 られていることを報告した.680 nm レーザを用いれば4倍容 量にも対応できるとこことで,商品化しベルに達した技術とし ての発表であった.
それぞれの発表に対し,磁性多層膜の光磁気ディスクへの応 用について,活発な意見交換が行われた.

(ソニー:金子正彦)