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第29回サマースクール「応用磁気の基礎」報告
 今年で第29回目を迎えたMSJサマースクール「応用磁気の基礎」が7月13日(火)から15日(木)の3日間の日程で、都内日立金属和彊館にて開催されました。本年もより多くの皆様が参加されやすいように都内での三日間の開催と致しました。受講者総数は70名(内:学生42名)で、初等磁気工学講座とともに参加された方は22名でした。

 今年のプログラムでは、第1日目に「磁気工学の基礎」福永博俊氏(長崎大)、「磁性薄膜」高梨弘毅氏(東北大)、「磁気記録」椎木一夫氏(慶大)、夜には懇談会を開催しました。第2日目午前に、「磁気物理の基礎」井上順一郎氏(名大)、「ハード磁性材料」加藤宏朗氏(東北大)、午後に「ソフト磁性材料」榎園正人氏(大分大)、「磁気光学効果/光磁気記録」佐藤勝昭氏(東京農工大)、「磁気イメージング」小野寛太氏(KEK)、第3日目午前に「マイクロマグネティックス」三俣千春氏(日立金属)、「スピンエレクトロニクス」鈴木義茂氏(大阪大)、午後に「生体磁気」内川義則氏(東京電機大)、「高周波磁気計測・高周波磁気デバイス」薮上 信氏(東北大)とし、磁気の基礎から応用まで幅広く学べるように構成しました。また今回は、これまでに要望の高かった「磁気イメージング」と「生体磁気」の講義も新設致しました。

 講師の方々には、限られた講義時間内に、専門分野の異なる受講者にも十分理解できるように、できるだけ平易に講義していただきました。受講生も熱心に取り組み、休憩時間にも講師の先生方に質問をする受講生が多く見られました。

 また、懇談会では、宮島英紀会長(慶大)による若手への激励を含めたご挨拶や受講生間の自己紹介など、和気あいあいとしたムードの中、楽しい雰囲気で進められ、受講者同士あるいは、講師の先生方との親睦が深められていた様子でした。

 アンケートによる調査結果からは、学生・若手のみならず、中堅技術者の方々からも、「幅広い分野に渡り、基礎から応用、最先端の事例までぎっしり詰まった内容で、自身の専門だけでなく専門外の分野についても理解することができて良かった」など、ご好評をいただきました。講義テーマやスケジュール、ならびに開催形態などに関して寄せられたご意見、ご要望を参考に、より多くの方に参加・満足いただけるようなスクールにしてゆきたいと思います。

 最後に、お忙しい中お時間をさいて講義していただいた講師の皆様に紙面をお借りして感謝いたします。

(佐賀大 村松和弘)