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第28回サマースクール「応用磁気の基礎」報告
今年で第28回目を迎えたMSJサマースクール「応用磁気の基礎」が7月13日(火)から15日(木)の3日間の日程で,都内日立金属和彊館にて開催されました。本年も昨年に引き続き,より多くの皆様が参加されやすいように都内での三日間の開催と致しました。受講者総数は81名(内:学生44名)で,昨年に比べて総数はほぼ同じでしたが一般の参加者が増えました。初等磁気工学講座とともに参加された方は25名でした。
今年のプログラムでは,第1日目に「磁気工学の基礎」福永博俊氏(長崎大),「磁気物理の基礎」佐久間昭正氏(東北大),「ソフト磁性材料」高橋研氏(東北大),夜には懇談会を開催しました。第2日目午前に「ハード磁性材料」加藤宏朗氏(東北大),「磁性薄膜」高梨弘毅氏(東北大),午後に「薄膜磁気ヘッド」戸田順三氏(富士通研),「磁気記録媒体」細江譲氏(日立),「マイクロマグネティックス」三俣千春氏(日立金属),第3日目午前に「磁気光学効果/光磁気記録」中川活二氏(日大),「高周波磁気デバイス」辻本浩章氏(大阪市立大),午後に「磁気センサ」笹田一郎氏(九州大),「スピンエレクトロニクス」鈴木義茂氏(大阪大)とし,磁気の基礎から応用まで幅広く学べるように構成しました。
講師の方々には,限られた講義時間内に,専門分野の異なる受講者にも十分理解できるように,できるだけ平易に講義していただきました。また今回は,最初に応用磁気の概要が把握できるよう,磁気工学の幅広い分野の基礎に関して応用例も交えた講義「磁気工学の基礎」を新設致しました.受講生も熱心に取り組み,休憩時間にも講師の先生方に質問をする受講生が多く見られました。
また,懇談会では,講師を代表して高橋研氏(東北大)による磁気工学の重要性の説明や若手への激励などを含めたご挨拶や受講生間の自己紹介など,和気あいあいとしたムードの中,楽しい雰囲気で進められ,受講者同士あるいは,講師の先生方との親睦が深められていた様子でした。
アンケートによる調査結果からは,学生・若手のみならず,中堅技術者の方々からも,基礎を一から勉強しなおす良い機会となった,専門の先生が現在考えておられる関心ごとまで様々な話が聞けて非常に参考になった等,ご好評をいただきました。講義テーマやスケジュール,ならびに開催形態などに関して寄せられたご意見,ご要望を参考に,より多くの方に参加・満足いただけるようなスクールにしてゆきたいと思います。
(佐賀大 村松和弘)