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第22回サマースクール「応用磁気の基礎」報告
 今年で22回目を迎えたサマースクール「応用磁気の基礎」が、7月28日(火)から30日(金)の三日間、昨年と同じ静岡県の湯河原厚生年金会館で開催されました。日本経済の低迷が長期化するなか受講者が減少するのではと心配されましたが、昨年よりも5名多い61名(そのうち、女性4名)の参加いただきました。受講者の構成を見ると、例年通り磁性関連の仕事に携わって5年以下の若手研究者が半数以上でしたが、学生の受講者も19名とここ数年で最多となり、学生の方にとっても魅力ある企画になってきたと自負しています。また、磁気記録以外の専門分野からの受講者が増加したことも今年の大きな特徴であると思います。

 今年のプログラムは、1日目に「磁性材料の基礎」北上先生(東北大)、「磁気物 理の基礎」井上先生(名大)、2日目に「磁気光学/光磁気記録」岩田先生(名大)、「磁気抵抗効果材料」猪俣先生(東芝)、「ハード磁性材料」田口先生(TDK)、「ソフト磁性材料」島田先生(東北大)、3日目は「シミュレーション技術」仲谷先生(電通大)、「磁気応用」山沢先生(信州大)、「磁気記録」法橋先生(早大)と、昨年とほぼ同じ構成で、磁気の基礎から応用まで幅広く修得できるように構成しました。

 講師の先生方には限られた講義時間にも関わらず、専門分野が異なる受講者にも理解しやすいように基礎から最先端のトピックスまで平易に講義していただきました。そのため受講者には非常に理解しやすかったのではなかったかと思います。どの講演でも質問が多数寄せられ、講演時間が大幅に延びる場面もありました。この雰囲気はそのまま初日夜に開催された若手懇談会にも引き継がれ、講師の先生を囲み、あるいは所属や専門分野の異なる受講者同士が集まって、大いに盛り上がりました。

 今年は2日目夜の新企画として、法橋先生(早大)から研究開発する上での心構えなどについて1時間ほど講演していただきました。先生の豊富な研究経験に基づく説得力ある 御講演に、受講者はメモをとるなど熱心に聞き入り、非常に好評であったのではないでしょうか。来年以降も昼間の講義とは別に、講師の先生方の経験談など、若手へのアドバイスとなるような企画を考えていきたいと思います。

 さて、このように大盛況に終わったサマースクールですが、いくつかの反省点も残りました。1つは、応用磁気の大きな分野である磁気応用関連の講演が1件だけと、内容が多少偏っていたことです。前述したように受講者の専門分野が多様化している点を考慮に入れた構成づくりが必要であるとおもいます。また、学生の受講者の増加に伴い、講義内容をさらに平易なものにする必要性も感じました。その他、懇談会の進め方にも反省点が あり、来年以降のサマースクールの企画に生かしていきたいとおもいます。会員の皆様もこのサマースクールに対する御意見や御要望があれば、遠慮なく企画委員までご連絡下さい。

(九工大 本田)