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「マルチメディア時代の画像記録とその展望
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近年,マルチメディアの関心が,AV,放送,情報,通信,コ ンピュータ,などの業界領域を超えて急速に高まりつつある. また,画像処理と信号処理技術の進歩は,マルチメディァから のニーズに伴いめざましいものがある.このような背景のも と,12月5日・ 6日の両日・蔵前工業会館において本年度の応 用磁気セミナーが行われた。28名の参加者があり,以下の題目 の講義内容になった.
第1日
1. 画像記録システム
マルチメディアストレージの条件 ニコン 斉藤 旬
放送業務用ストレイジシステム ソニー 高山 胸
ビデオオンデマンド技術の現状と将釆 日立 斉藤 温
民生用画像記録機器 松下電器 井手章文
高精細静止画ファイル NTT 井沢伸芳
第2日
2. 画像記録のための信号処理と回路
ディジタル記録のためのPRML方式 愛媛大 大沢 寿
高転送レートのための信号処理技術 NEC 糸井哲史
マルチメディアサーバとディスクァレイ 富士通 金子 悟
3. 動画のための記録媒体
ROM媒体の高密度化 東芝 昔谷寿鉾
相変化光ディスクの高密度記録技術 松下電器 赤平信夫
光磁気記録媒体の高速高密度化 ソニー 中沖有克
マルチメディァストレージの展望 静岡理工科大 野村龍男
第 1 日目は,特に記録システムから画像記録に要求される容 量・転送レートなどの現状と将釆を講師の方々に解説していた だいた.いつ終ることない高速化,高密度化,大容量化の競 争に追われているストレージ開発エンジニアにとって,本当に 役に立って使いやすいストレージとはなにかが少しずつ見える ようになったのは大変意義深い.特に井沢氏(NTT)が解説さ れた高精細静止画フプイルシステムは,大容量ストレージがで きれば高臨場感をもたらす素晴らしい表示システムができるこ とが示され勇気づけられた。2日目は,記録媒体側から提供で きる容量,転送レートなどの現状と将来を紹介していただい た。セミナーというよりむしろ研究会に近い内容もあり,入門 コースとして多少ハードであったかなと感じたが・講師の方々 には非常にわかりやすく説明していただき感謝したい.最後 に,野村先生(静岡理工科大)からマルチメディアストレージ の期待ということで,非常に夢の多い話をしていただいた.ま た・本格的なマルチメディア時代化のためには環境整備がかな り必要であることが示された.
参加人数が28名と多少さびしいセミナーであったが,その ぶん十分かつ熱心な質疑応答がなされた.反省点としては・ テーマの選択が約1年も前であり,本会会員にとって必ずしも タイムリーなテーマになっていないのではと感じた次第であ る.
(日本IBM 園部)
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