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第6回 初等磁気工学講座報告
初等磁気工学講座が7月31日(火)に早稲田大学理工学部で開催された。大学の電磁気学の講義等でも磁気を深く掘り下げることは少なく、また、単位系の複雑さもあって、磁気工学は初学者にとって取っつきにくい分野である。本講座は、磁性関係の研究室に配属された学部生や磁性材料関連の研究開発に取り組み始めた社会人等を対象に、講義と演習による学習の機会を提供する目的で毎年開かれており、今年度で6回目を迎える。参加者は38名であった。
講師は近桂一郎氏(早大)にお願いした。講義は、前回までの講師である高梨弘毅氏(東北大)執筆のテキストを参照しながら、近氏執筆の講義メモに沿って進められた。磁気に関する量とその単位、磁化とその測定、磁気異方性とその測定について、磁気工学に携わる者として最低限必要な概念を平易に解説していただいた。
演習では、実際の測定データを使用して飽和磁化、保磁力、反磁界係数、磁気異方性エネルギー、原子磁気モーメント等を受講者に解析、計算させ、近氏とオーガナイザーで指導にあたった。また、演習時間に別室でVSM(振動試料型磁力計)によるヒステリシスループの測定を実演し、円盤形のNi標準試料の反磁界の大きさが外部磁界の印加方向によって異なることや、試料の保磁力の違いによって初期磁化曲線やループの形状が変化する様子を示した。
前期試験の時期と重なり学部生の参加が少なかった昨年の反省に立ち、本年は開講の時期を7月末としたため学部生の参加が増えた。反面、大学院入試に近くなるためか、受講者から回収したアンケートには開講時期を6月にしてほしいという要望も多かった。寄せられたご意見、ご要望を参考に多くの方に参加いただけるような講座にしていきたい。 最後に、お忙しいなか講師をお引き受けいただいた近桂一郎氏、テキストの使用を快諾いただいた高梨弘毅氏、ならびに、VSMのデモにご協力いただいた早大物理化学実験室の中村仲氏に紙面を借りて感謝いたします。
(住特金 槇田 顕)