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第5回 初等磁気工学講座報告
初等磁気工学講座が7月25日(火)に早稲田大学各務(かがみ)記念材料技術研 究所で開催された。本講座は、応用磁気分野の初学者に講義と演習を通じて磁気工学 の基礎を学んでいただく目的で毎年開かれており、今年度で5回目を迎える。参加者 は30名であった。
講師は初回から担当していただいている東北大の高梨弘毅氏にお願いした。講義は 高梨氏執筆によるテキストに沿って進められ、磁界や磁化の定義にはじまり、単位系 の違いと換算、磁化曲線と反磁界、磁気異方性と磁歪、磁気モーメントと角運動量、 磁性体の分類、磁気計測法の基礎に至るまで、磁気工学に携わる者として最低限必要 な概念を平易に解説していただいた。
演習では、実際の測定データを使用して、飽和磁化、保磁力、反磁界係数、磁気異 方性エネルギー、原子磁気モーメント等を受講者に解析、計算させ、高梨氏とオーガ ナイザーで指導にあたった。また、演習時間に別室でVSM(振動試料型磁力計)に よるヒステリシスループの測定を実演したほか、磁気トルク計、薄膜磁歪測定装置に ついては測定風景を撮影したビデオを放映して説明を行った。
演習時間は余裕をもたせてあったが、受講者によって理解度に差があり、やや時間 をもてあました人もいたようだ。また、最近の受講者は疑問に思っていることがあっ ても質問をしない傾向が強く、指導のために机間巡視するオーガナイザーが手持ち無 沙汰になる光景が見られた。もっと気軽に質問できるように運営上の工夫を加えてい きたい。
5年の長きにわたる高梨氏のご尽力により体系的にまとめられた本講座は毎年好評 を博しており、本学会の事業のひとつとして確固たる地位を占めるに至った。この貴 重な共有財産を有効に活用いただき、よりよいものに発展させるため、今後とも会員 の皆様のご理解とご協力をお願いしたい。
なお、今回早大理工学部の逢坂哲彌氏のご好意により材料技術研究所の講義室とV SMをお借りすることができた。また、逢坂研究室の学生諸君には会場の機器やVS Mの操作を担当いただいた。ここに記して感謝の意を表します。
(住特金 槇田 顕)