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第4回 初等磁気工学講座報告
初等磁気工学講座が7月13日(火)に東京都千代田区商工会館で開催された。本講座は磁気工学の初歩を講義と演習を通して若手研究者などに理解してもらうことを目的とするものであり、今年度で4回目を迎える。
本年度は、38名の参加があった。今回は社会人の参加者が半分を越えた。また、ほとんどの方は、磁性関係に携わってから数年以内の方々であった。
講師はこれまでの3回に引き続き東北大の高梨氏にお願いした。演習では、高梨氏とオーガナイザーで指導にあたった。
講義の内容としては、電磁気学の基本として、磁界や磁化の基本から、SI単位系とCGS単位系の違いと換算、磁気異方性および磁歪、磁気計測法の基礎に至るまで、磁気工学に携わる者として最低限必要と思われる内容が網羅されていた。
昨年の本講座でのアンケート結果を参考に、今回はじめての試みとして、演習を行う前に実際の振動試料型磁力計(VSM)を会場に持ち込みヒステリシスループ測定のデモンストレーションを行った。磁気トルク計や薄膜磁歪測定装置に関しては、実際の測定風景を撮影したビデオを紹介した。
演習では、実際の試料の測定データを使用して、飽和磁化、保磁力、反磁界係数、磁気異方性エネルギー、磁気モーメント等を求めた。
アンケートの結果、大学等では、あまり磁気工学に関する講義がないため、高梨氏が体系的にまとめておられる本講座およびテキストの評判が高った。その反面、内容が濃いため、2日間に分けた講義を望む声もあった。
VSMの実演やビデオによる測定装置の紹介は概ね好評であった。しかしながら、今回のVSMの実演は、演習時間に行い、演習時間を削らない様にVSMの説明を簡単に行ったため、逆に説明が短すぎる等の指摘があり、今後、演習時間との配分に注意を払ってデモンストレーションを行うことが必要である。
演習内容も概ね適当との評価を得ているが、講義の中に演習を盛り込む構成の採用を希望するアンケート結果もあり、今後の検討課題である。 会員の皆様も今後の初等磁気工学講座に対する御意見や御要望があれば、遠慮なく学会本部までご連絡いただきたい。
(東北大 荘司弘樹)