05.01
半導体/強磁性金属ハイブリッドによる光アイソレーションが初めて実証された
東大の清水ら(講演番号24aF-2)はInGaAsP系の光増幅導波路と強磁性金属Feのハイブリッド構造において9.3dB/mmの光アイソレーション比を得た。この新しいタイプの光アイソレータは産総研のZayetsら(講演番号24aF-1)が理論的に提案していたものであるが、今回、実験的実証に成功したことの意義は大きい。光通信においては化合物半導体が中心的な役割を果たしているが、この化合物半導体からなる光導波路に強磁性金属を蒸着するという簡単なプロセスで光アイソレータが実現できることになり、光アイソレータの低コスト化とともに他の半導体光部品と一体的な集積化が可能になると思わる。ただし、現在は光損失が大きく、その動作には100mA程度の大電流が必要という問題がある。今後どこまで動作電流を下げられるかが、実用化のための課題となる。
(産総研 安藤 功兒)