7.04

7.04:2004 Joint International Meeting-ECS & ECSJの国際会議から

酸化鉄ナノ粒子の高い寸法制御

  10月3 – 8日、ハワイで開催された2004 Joint International Meeting-ECS & ECSJにおいて韓国・Seoul National UniversityのTaeghwan HyeonらはFe有機化合物の熱分解と緩やかな酸化によって均一な寸法のマグネタイト粒子を4 – 16 nmまで作り分ける技術を発表した(2004 Joint International Meeting-ECS & ECSJ, 8th International Symposium Magnetic, Materials, Processes, and Devices, abstract#1149, “Synthesis of monodisperse magnetic nanoparticles and uniform-sized magnetic nanorods”).
  この合成プロセスは1つの工程であり,合成後に寸法の選別をすることなく均一な粒子を得ている.合成して得られる量は500 mLの反応容器から40gと,このような反応においてはかなり多い.
  作製した粒子の寸法は,4,6,7,8,9,10,11,12,13,14,16 nmであり,制御性よく作り分けることができている.作製方法の詳細は,T. Hyeon, et. al., J. Am. Chem. Soc. 2001, vol.123, 12798に述べられているが,寸法の作りわけの条件についての詳細は述べられていない.緩やかな還元反応によるFePt規則合金粒子の合成など,反応過程を制御することが所望の構造や寸法を得るのに重要であることがさまざまな粒子の合成で報告されており,Heyonらの手法でもマイルドな酸化剤を用いている点で共通性があるのかもしれない.

(東工大 北本仁孝)

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