2.08 最近の論文から:Jpn. J. Appl. Phys
医用磁性ビーズ1個の検出に成功:InSb薄膜ホールセンサ(Jpn. J. Appl. Physから)
東工大量子ナノエレクトロニクスセンターのアダルシュらは、面積4.5μm×4.5μm、厚さ320nmのInSb薄膜マイクロ・ホールセンサーを用いて、直径2.8μmの医用磁性ビーズ1個を検出することに成功した(Jpn. J. Appl. Phys. 43, L868 (2004))。
このビーズは、ポリマー中にフェライトナノビーズを複数個含む常磁性ビーズで、DNA検出、抗原抗体反応を利用した免疫反応などに用いられる標準的な市販品である。センサーの膜面と垂直に印加する静バイアス磁界(Hb)と面内方向にかける変調交流磁界(670Hz)の振幅(ha)を最適化(Hb=320Oe、ha=440Oe)することにより、従来は困難とされた粒子一個の検出に成功した。シミュレーションにより、直径100nmの磁性ビーズをも検出可能であることを示している。
(東工大 阿部 正紀)