53.01
- 分野:
- スピンエレクトロニクス
- タイトル:
- 混載用超高速MRAMマクロの500MHz動作実証に成功
- 出典:
- NECのプレスリリース
(http://www.nec.co.jp/press/ja/0811/0503.html) - 概要:
- NECはシステムLSI混載用のMRAM(Magnetic Random Access Memory)マクロの500MHz超高速動作の実証に成功した。
- 本文:
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NECはシステムLSI混載用のMRAM(Magnetic Random Access Memory)マクロの500MHz超高速動作の実証に成功した。システムLSIの消費電力を低減するためには、電源を切って待機状態にすることが有効であるが、そのためには全てのメモリマクロを不揮発化することが必要となる。また、NECでは既に不揮発メモリであるMRAMを用い250MHz高速動作を実証しているが、システムLSI上の一部のメモリマクロはそれ以上に高速に動作するものがあり、更なる高速化が求められていた。
そこで従来のメモリセルにトランジスタ3個とMTJ1個を追加し、トランジスタ5個とMTJ2個でメモリセルを構成することで読出し動作が高速化され、500MHz超高速動作に成功した。また一般的なSRAMが6トランジスタで構成されるのに比べて、今回開発したMRAMは5トランジスタで済むため、原理的にSRAMよりも小型化することが可能となる。
今回の実証実験の成功は、チップ上のメモリマクロを全てMRAMマクロに置き換えられる見通しを示すもので、今後はシステムLSI上のメモリを全てMRAMで置き換えた形での動作検証を目指す。この成果は福岡県福岡市で開催された「IEEE Asia Solid State Circuits Conference (ASSCC 2008)」で11月5日に発表された。
(NEC 末光 克巳)