56.02
- 分野:
- スピンエレクトロニクス
- タイトル:
- システムLSIへの組み込みが可能な32Mb MRAMを開発
- 出典:
- NECのプレスリリース
- 概要:
- NECとNECエレクトロニクスは、システムLSIへの組み込み実現につながる、大容量な32Mb(メガビット) MRAM(Magnetic Random Access Memory)を開発し、動作実証に成功した。
- 本文:
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NECとNECエレクトロニクスは、システムLSIへの組み込み実現につながる、大容量な32Mb(メガビット) MRAM(Magnetic Random Access Memory)を開発し、動作実証に成功した。従来よりシステムLSIに組み込むためのメモリマクロ用に高速MRAM技術を開発してきたが、高速動作のMRAMは通常のMRAMよりもセルサイズが大きく、大容量化が課題となっていた。
そこでメモリマクロにおける周辺回路の面積を削減し、マクロ面積の73%の領域をメモリセルに割り当てることができる高いセル占有率を達成した。これにより高速MRAMセル技術が大容量化にも応用できる見通しが得られた。また、今回作製したメモリマクロではワード線デコーダ回路内に、メモリセルの面積の縮小に有効なワードブースト回路を設けている。一般的にワードブースト回路は自身の遅延が大きく、その分サイクル時間を大きくするいという問題があるが、書き込み電圧レベル変換の最適化により遅延を最小化することで、大容量ながら9nsと高速なサイクル時間での動作を達成した。
今回の成果は、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市で開催された「IEEE International Solid State Circuits Conference (ISSCC 2009)」で、2月11日に発表した。
(NEC 末光 克巳)