68.05
- 分野:
- スピンエレクトロニクス
- タイトル:
- 第29回スピンエレクトロニクス専門研究会「半導体・磁性体融合スピントロニクス」
- 概要:
- 2010/3/15中央大学駿河台記念館にて開催、参加者は19名であった。今回の専門研究会では、半導体と磁性体を融合した新規なスピンエレクトロニクス研究をテーマとした。将来の量子コンピュータを実現するための基礎技術の進展をはじめ、磁性体を半導体素子に使用することで生まれる新たな高機能デバイスの可能性など大変興味深い内容が報告され質疑応答も活発に行われた。
- 本文:
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- 「光子と電子のスピン状態交換」
○小坂英男(東北大)
情報通信に向いている光子と情報処理に向いている電子スピンの間の量子情報交換に関する実験と理論、さらにその量子情報通信応用について紹介した。光の偏光は電子スピンと同様に2値の波動関数で現され、光子と電子はスピンという共通の自由度を介してお互いにコヒーレンスを含む量子情報を交換し得ることを説明した。 - 「半導体光アイソレータにおける軸方向光子密度分布を利用した新しい光制御デバイス」
○清水大雅、森俊秋、河野嘉孝(東京農工大)
導波路光アイソレータの最近の研究展開を解説いただき、半導体光アイソレータの新しい双安定半導体レーザへの応用について紹介した。半導体光アイソレータは半導体レーザとの一体集積化という従来の応用の枠を超えて、光子密度の偏りを利用した新しい光制御デバイスを実現することができる。 - 「ショットキー型トンネル接合電極を用いたシリコンへの電気的スピン注入と検出」
○浜屋宏平 1,2, 安藤裕一郎 1, 宮尾正信 1 , ( 1九大院,2 JSTさきがけ )
シリコンスピントランジスタの実現を目指して、(1)Fe3Siホイスラー合金スピン注入源とするシリコン高品質接合の形成、(2)ショットキートンネル接合の電気伝導制御、(3)非局所電圧測定を利用したスピン伝導検出に室温で成功した成果について報告した。 - 「Si-MOSFET系スピンデバイス総合基本動作の実証」
○丸亀孝生、井口智明、石川瑞恵、杉山英行、棚本哲史、斉藤好昭(東芝)
Beyond CMOS候補として注目されるスピンMOSFETの研究開発状況を報告した。Siへのスピン注入・検出のための磁性体/トンネル障壁電極の有望性を確認した。電極に磁気トンネル接合を用いたバックゲート型スピンMOSFET構造においてスピン注入磁化反転を確認し、総合基本動作と繰り返し耐性を実証した。
- 「光子と電子のスピン状態交換」
(日立製作所 早川純)