第7回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告
日 時:2004年7月22日(木)13:30~16:00
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:37名
講演内容:
- 「磁気微粒子を用いた液滴ハンドリングデバイスとそれを用いた小型分析システム」
式田光宏(名大)
磁気微粒子を含んだ液滴を操作することによって、バルブ及びポンプなどの流体機械を用いずに一連の化学分析ができる装置システムについて紹介した。外部磁場により、磁性微粒子を混合した液滴(バッファー液)から、試料キャリアである磁性微粒子を抽出・搬送・融合できることを実験的に示した。
- 「MEMSのナノ・バイオ技術への応用」
藤田博之(東大)
半導体微細加工によって作製された数十nmから数百μmの微小電気機械、Micro Electro Mechanical Systems (MEMS)の原理と応用例について紹介した。つぎに、MEMSを用いた細胞操作や細胞培養、マイクロピンセットによるDNA分子の捕獲とその観察、マイクロ容器内における1分子レベルの酵素活性測定、リニア生体分子モータによるナノ搬送システムへの展開などを紹介した。
- 今回の感想
今回の研究会では、最近、急速に研究が進んでいるMEMSのバイオ応用に関する講演が行われた。今まで行われた講演とは若干、専門性が異なったが、磁性ナノ微粒子とその応用に興味を持つ多くの研究者・学生が参加した。両講演とも、多くの質問があり出席者の関心が高いことを示した。
(東工大 阿部正紀、理研 野田紘憙)