第140回研究会報告
「層間磁気結合」
磁性多層膜では層間に磁気結合が存在することによって多様な磁気構造が形成され、興味深い磁化過程を示します。こうした磁気結合起源の磁気構造や磁化過程は物性として興味深いと同時に、デバイス応用にとっても重要な役割を果たします。特に近年では新しい測定手法や理論によって層間磁気結合の理解が深まり、また磁気記録や光磁気記録、MRAMといった分野では磁気結合を上手に利用することで新しい媒体・素子が開発され特性の向上が進んでいます。本研究会では、こうした多層膜の層間磁気結合の示す磁気構造が、どこまで理解され、どのように応用に生かされているのかを各分野の専門のかたに講演していただき、議論していきたいと考えています。多くの方のご参加をお待ちしております。
日 時 :2005年2月15日(火) 9:30~17:20
場 所 :化学会館6階大会議室
東京都千代田区神田駿河台1-5 (JR・地下鉄、御茶ノ水駅より徒歩3分)
電話: 03-3292-6244
URL: http://www.chemistry.or.jp/kaimu/office/map
参加費 :無料(年間購読者、学生)、2000円(会員、協賛会員)、4000円(非会員)
資料代 :1000円(会員、協賛会員、非会員、学生)
協 賛 :IEEE Magnetics Society Japan Chapter、日本物理学会、応用物理学会、電子情報通信学会、
電気学会
問合せ先:日本応用磁気学会事務局 03-5281-0106
URL: http://www.wdc-jp.com/msj/seminar/140
オーガナイザ:浅野秀文(名古屋大)、大嶋則和(NEC)、小佐野浩一(松下電器)、中谷亮一(大阪大)
プログラム:
9:30 – 9:45 「層間磁気結合の研究の現状と展望」
9:45 – 10:25 「多様な反強磁性スピン構造が反強磁性/
強磁性界面における交換結合バイアスに及ぼす影響」
10:25 – 11:05 「Mn-Ir/Co-Fe積層膜の巨大交換磁気異方性」
11:05 – 11:45 「スピン偏極走査トンネル顕微分光法を用いての層間磁気結合の研究:
Fe/Mn/Fe(001)多層膜」
11:45 – 13:00 昼食
13:00 – 13:40 「放射光と光電子顕微鏡(PEEM)を用いた磁性多層膜の研究:その現状と新展開」
高垣昌史2)、中村哲也2)、谷口雅樹5)、小林啓介2)、石松直樹5)、圓山裕5)
( 1)広島大放射光、2)JASRI、3)東大、4)高エネ研、5)広島大 )
13:40 – 14:20 「メスバウアー分光法でみる反強磁性/強磁性層間磁気結合多層膜の磁気構造」
14:20 – 15:00 「中性子反射率によるGMR膜の磁気モーメント評価」
15:00 – 15:20 休憩
15:20 – 16:00 「GMRヘッドの積層フェリ 固定層のさまざまな磁化挙動」
16:00 – 16:40 「トグル方式MRAMにおける層間結合」
16:40 – 17:20 「磁気結合の光磁気ディスクへの応用」
研究会でのビデオ・写真撮影および録音はご遠慮いただいております。