151.01
【分野】政策等
【タイトル】SQUIDの図記号も変わる? 超電導センサに関する国際標準規格が発行
【出典】
・経済産業省プレスリリース
http://www.meti.go.jp/press/2017/08/20170830001/20170830001.html
・IEC International Standard 61788-22-1:2017-07
【概要】
国際電気標準会議(IEC)は超電導センサ及び検出器に関する国際規格(IEC61788-22-1) を発行し、超電導センサ及び検出器の用語と分類、名称、構造、図記号などを定めた。今回定められた規格の中にはジョセフソン接合の図記号が含まれている。これに伴い、SQUID磁気センサの表記についても新しい記号が用いられることになる。
【本文】
超電導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device : SQUID)は超電導エレクトロニクスを応用した磁気センサであり、磁気特性計測や生体磁気計測、走査型磁気顕微鏡、地磁気計測、地質探査など様々な用途に用いられている。
一方、これまで超電導エレクトロニクスに関しては国内外においてその標準規格が無く、用語や記号などが統一されていなかった。そこで経済産業省は、国際標準開発事業を通じて国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission : IEC)に超電導センサ及び検出器に関する国際標準の策定を2014年1月に提案した。これを受けてIECは、超電導センサ及び検出器に関する国際規格(IEC61788-22-1) を2017年8月に発行し、超電導センサ及び検出器の用語と分類、名称、構造、図記号などを定めた。
特に、「常電導・超電導境界(Normal-superconducting boundary)」と「ジョセフソン接合(Josephson junction)」の図記号が汎用的に使用可能な図記号としても認められ、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)やIECのデータベースにも登録された。
SQUIDはRF-SQUIDとDC-SQUIDの二つのタイプがあるが、いずれも環状の超電導体にジョセフソン接合を設けた構造になっている。従来、SQUIDは超電導リングを表す○(マル)にジョセフソン接合を表す×(バツ)を加えて図1左のような記号が慣例的に使用されてきた。今回、ジョセフソン接合を表す新記号が設定されたことで、SQUIDも図1右のように表すことができる。IEC61788-22-1においてもSQUIDの説明図には同様の記号が使われている。SQUID自体の国際規格は現在議論中とのことであるが、今後、SQUIDを表す記号として図1右の記号が主流になっていくものと予想される。
なお、本稿では出典に合わせて「超電導」の漢字を使用した。
(金沢工業大学 小山大介)